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◼️真に価値あるサービスの提供を目指して
freee株式会社は、主にスモールビジネスをターゲットとして、クラウド会計ソフトをはじめとする統合型経営プラットフォームを提供する企業だ。「本質的(マジ)で価値ある」ものをユーザーに届けたいという考えの下、「マジ価値」という企業カルチャーを掲げ、真に価値のあるサービスを提供しようと日々取り組んでいる。

これまで主に人事や会計などバックオフィス業務の効率化に向けたサービスを提供していたfreeeだが、2022年11月には新たにフロントオフィス業務を支援する「freee販売」を発表、同サービスにて案件の見積や請求書の発行など、販売管理業務の効率化を推進している。この新サービスを立ち上げるにあたり、スピード感を持ってUXを改善したいとの思いから、同社ではPendoを導入することになった。


◼️新規事業に必要なPDCAサイクルの迅速化

「新規事業の立ち上げ時には、スピード感を持ってPDCA(Plan・Do・Check・Action)サイクルを回す必要があります。また、前提として、新サービスのリリースからしばらくの間は、基本的な必須機能の開発に注力するため、マーケティングやカスタマーサクセスに必要な部分は開発工程の中で後回しになりがちです。そこで、エンジニアの工数をかけずにマーケティングやカスタマーサクセス活動を回せるようなツールが必要だと感じていました」と、freee販売の立ち上げを担当した、プロジェクト本部freee販売事業部チーム長の古部洸介氏は語る。

導入するツールを検討するにあたり、古部氏が求めていたポイントは3点だ。そのひとつは、freeeがこだわりを持つUXやアクセシビリティの基準に合っていること。複数のツールを比較した結果、その基準を満たしていたのがPendoだけだったという。

2点目は、Pendoが単なるオンボーディングの支援だけでなく、データ分析までセットになっていたことだ。「ユーザーが使えるようになるよう支援するツールは数多いのですが、データドリブンな形で改善するところまでセットになったツールはあまり存在しませんでした」と古部氏は話す。

そして3点目が、分析の指標や数値を事前に設定する必要がなく、後で設定できる点だったという。「大半のツールは、分析する内容をあらかじめ設定しておく必要がありますが、新規プロダクトの場合、どういった指標を測定すればいいのか不明なことが多いのです。その指標を後から設定できることが、新規プロダクトには重要だと考えました」と古部氏は説明する。

実はfreeeでは、Pendoのような定着化を支援するツールの自社開発も進めているという。ただ、古部氏によるとそのツールは、開発に詳しい人であれば使えるものの、ビジネスサイドの担当者が利用するには使い勝手に課題があり、利用するには至らなかった。また、過去には別のツールを使用していたこともあったというが、そのツールはUXやアクセシビリティが同社の基準を満たしていないのみならず、ツール単体では効果測定や改善ができないものだった。効果を測定するにはエンジニアの手を借りることになるため、改善のスピードが上がらないと判断、再度の採用は断念した。

こうしてPendoを採用することになったわけだが、導入の承認を得るまでの道のりは困難を極めた。

「新規プロダクトにこれだけの費用をかけて新たなツールを導入するとなると、費用対効果について疑問を投げかけられました。ただ、新規プロダクトでは具体例がないため仮説を立て、どのように検証するかという手段しか示せませんでした。それでも承認を得るため、開発部門のリソースを使うことなく改善サイクルを迅速化したいこと、それにはPendoが必要なことを訴えました。効果の検証についても、期限を設けて検証することを伝えました」と、プロジェクト本部 freee販売事業部メンバーの大友葵氏は、承認を得るまでの苦労を語る。

最終的には、会社の方針としても新しいことへの挑戦に前向きな考えがあったことから、無事承認を得ることができた。

◼️ノーコードでガイドを作成、直感的な分析も可能に
導入後、実際にPendoを利用している、​​プロジェクト本部 freee販売事業部メンバー​​​​の近久千穂氏は、「本当にノーコードでガイドが作成できました」と話す。「ブログツールのような感覚で使えるので、簡単にビジュアル化されたものが作れました。HTMLやCSSの知識が少しあれば、更なるカスタマイズもすぐにできます」と近久氏。

大友氏も、Pendoによって業務が大幅に改善されたと話す。「これまでは、ユーザーに対してちょっとした案内を出すだけでもエンジニアに依頼する必要がありました。そうなると開発リソースが必要となり、他の開発との兼ね合いで待ち時間も発生します。それが、Pendoがあればビジネスチームだけで自由度の高いガイドが作成でき、承認さえ取れればすぐに掲載できます。細かいガイドも出せるほか、緊急対応が必要な単発的なニーズにも自ら対応できることは大きいですね。非常に実用的で、改善が迅速にできることを実感しています。セキュリティの問題もなく、安心してビジネスチームが使えるので、スピードを持って事業展開したいチームに最適なツールだと思います」(大友氏)

分析に関しても、直感的に使えていると近久氏は評価している。「他社の分析ツールも勉強していますが、高機能すぎて難しいと感じています。Pendoは、最初にタグなどの設定ルールを覚えれば、見たい情報だけを持ってくることができます。かなり直感的に使えるため、チームメンバーが増えた際にも簡単に説明できます」と近久氏。

freeeは社内に分析チームを抱えているというが、社内全体の分析チームのため、一部門の分析のためにそのリソースを常に活用できるとは限らない。古部氏は、「今後自分たちで分析するべきシーンは増えてくるでしょうし、当社のような分析チームが存在しない企業もあると思います。そのような場合でも、Pendoがあれば自ら分析し、改善できます」と語る。

「freeeでは、エンジニアでなくてもあらゆるデータを使える環境にあります。ただ、実際にデータを活用するとなると、高度な分析のためにはSQLの知識とデータ分析のスキルが必要になるなど、ハードルが高いと感じるメンバーもいるのが現状です。それがPendoを利用することで、データ分析やデータ収集のハードルが下がるため、今後もPendoによるデータ活用を推進したいと思います。データ分析チームに依頼するほどではないものの、データに基づいて意思決定をしたいシーンは山のようにありますから」(古部氏)

◼️Pendoによって高まるサービスの価値と費用対効果
freeeの製品は、Pendoが推進するプロダクト主導の成長(PLG:Product-Led Growth)と親和性が高いものだといえるが、古部氏は「そもそもPLGは当たり前になってきている」という考えだ。

「当社のお客様はスモールビジネスが中心です。スモールビジネスでは、費用面でも時間的にも自分ですぐに使い始められるプロダクトが求められています。​​そして、このような価値感はすでに大企業が使うプロダクトにも広がってきていると私は考えています。これが当たり前になると思いますし、当社でもそのように事業を進めたいと考えています」(古部氏)

古部氏は、SaaSを展開する企業が一般的にあまりスモールビジネスをターゲットとしない傾向があることについて、顧客1件あたりの単価が低く、カスタマーサクセスにコストをかけられないため、ユーザー数の多い大企業をターゲットとしていることを指摘する。

「ただ、Pendoを使用すれば、スモールビジネスの皆様​​に対しても、セルフサーブで自社のプロダクトを提供することが可能になります。これまでSaaSベンダーは、費用対効果が見合わないためスモールビジネスにあまりアプローチしていませんでしたが、Pendoによって投資対効果が見合うようになるチャンスが生まれてきています。大企業のみならず、スモールビジネスにも価値が提供できるようになるのです。Pendoを活用することで、ユーザーにとってもSaaSベンダーにとっても幸せな世界が実現できると考えています」(古部氏)

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